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『責任感』という言葉は非常にカッコよくて、重みがある。
「責任を持ってこのプロジェクトをやり遂げます。」
「責任感があるアイツにリーダーを任せよう。」
などなど、厳かな場面や重要なシーンで使われる。
ただ、不意に責任感というカッコいい言葉に甘えて、実際はこれっぽっちも責任感なんて感じてないんじゃないか?
という状況に出くわすこともある。
例えば頻繁に耳にする、問題を起こした政治家などが発するセリフ。
「責任をとって辞任します。」
これは責任を取っていると言えるのだろうか?
責任には”自分のした事の結果について責めを負うこと”という意味もあるので、言葉の意味合い的には合っているのかもしれない。
しかし、本当の意味で「責任を取る」ならば、起こった問題を収束させ、収束させた後、後続に引き継いで辞任するのが正しいと私は思う。
前者の責任の取り方は、「責任」という言葉を盾にしたただの逃げだ。
これとは正反対の内容で、感銘を受けたこともある。
どんなプロジェクトを任せてもいつも納期を前倒し、かつ質の高いアウトプットを出してくれるパートナーがいた。
ふと
「なんでこんなにも責任感を持ってプロジェクトを遂行できるんですか?」
と聞いてみた。
彼は
「責任感なんてこれっぽちいもないですよ。
ただ、もしここで結果が出なかったら評価が落ちたり、
継続発注に繋がらないということを考えると自然と手と頭が動いているんです。」
と答えた。
なるほど。
一概に熱い志と責任感がある人が良い仕事をできる訳ではない。
むしろマイナスなことを考えて、仕事に取り組み、そして結果を出す人がいるということをこの時初めて理解した。
「自分がやり遂げないで誰がやる」ぐらいの熱い志も大事だが、果たしてもし自分が主体者じゃない場合はどうだろうか?
責任とはいえ、会社の社長でもなく、ましてや一般の社員にそのような責任感を求めるのは傲慢なのかもしれない。
それであれば「もしやらないとこうなっちゃうよ」というネガティブモチベーションを暗に意味する言葉を投げかけた方が、パワーを発揮するタイミングもある。
代表という立場である私は常に自分自身には責任を負いつつ、他社にはタイミングや立場、役割を考えた上で「責任」を与えていこうと思ったので、書き記しておきました。